NISA成長投資枠を活用して年間配当15万円。30代子育て世帯の投資戦略

インデックス投資

これまでインデックス投資を中心に、こども1人を含む3人家族でサイドFIREを意識できるほどの資産を形成してきました。しかし、将来の「サイドFIRE」という出口戦略を具体的に考えたとき、資産を取り崩すことへの心理的な抵抗感や、市場の変動に生活が左右される不安に直面しました。そこで2025年1月から、新NISA制度の成長投資枠を夫婦で活用し、安定したキャッシュフローを生み出す「配当投資」を開始。初年度から税引後で年間約15万円の配当金を得る見込みとなりました。この記事では、資産を「増やす」段階から「受け取る」段階へスムーズに移行するため、私たちが実践している具体的な投資戦略と、その裏側にある思考プロセスについてご紹介します。


これまでの投資スタイルと直面した課題

インデックス中心で積み上げてきた背景

私たちの資産形成は、インデックス投資から始まりました。S&P500やオルカンといった、市場全体に低コストで分散投資できる商品は、多忙な私たちにとって最も合理的で再現性の高い選択肢だと考えていました。毎月淡々と積立購入を続け、資産残高が増えていくのを確認することが、将来への安心に繋がっていました。

私たちの投資の基本方針は、「長期・分散・低コスト」という3つの原則でした。この原則に基づき、米国の主要企業で構成されるS&P500と、全世界の株式に投資できるオルカンを主力としてきました。市場の状況に関わらず積立を継続したことで、資産は着実に成長しました。しかし、目標とする資産額が見え始めたとき、私たちは重要な問題に直面しました。それは、ゴールに到達した後に、どうやってその資産を「日々の生活費」に変えていけばいいのか、具体的な方法論と精神的な準備が全くできていなかったという事実です。

出口戦略で見えた不安

資産が一定の規模に達し、サイドFIREが現実的な選択肢として見え始めたとき、これまで目を向けてこなかった出口戦略の脆さが浮き彫りになりました。資産を効率的に「増やす」ことにかけては非常に優れたインデックス投資ですが、それを安定的に「受け取る」フェーズに移行するには、見過ごせない課題が存在しました。

最大の懸念は、積み上げた資産を生活費のために売却する「取り崩し」という行為に対する、強い心理的な抵抗感でした。出口戦略の目安として有名な4%ルールは知っていましたが、理論と実践は別物です。市場が大きく下落している状況で、価値が目減りした資産を冷静に売却し続けられるだろうか、という点に強い不安を感じました。自分たちが努力して積み上げてきた資産を、自らの手で売却して減らしていく行為は、将来への不安を増幅させ、冷静な判断を失わせる可能性があると結論付けました。

もう一つの課題は、キャッシュフローの不足です。インデックス投資で増える資産は、あくまで資産総額(ストック)です。しかし、私たちの日常生活を支えるのは、毎月安定的、継続的に入ってくる収入(フロー)です。資産総額の数字が増えても、それが直接銀行口座に振り込まれるわけではないため、生活が豊かになったという実感が乏しい状態でした。精神的に安定したサイドFIRE後の生活を送るためには、資産総額の増減とは切り離された、計画的なフロー収入の仕組みが不可欠だと痛感したのです。


配当投資を取り入れた理由

フロー収入がもたらす安定

配当投資の最大の魅力は、保有している株式を売却することなく、定期的に現金収入(フロー収入)が得られる点です。配当金とは、企業が得た利益の一部を、保有株数に応じて株主に分配するお金のことです。この「保有しているだけで定期的にお金が振り込まれる」という仕組みが、私たちの不安を解消する鍵だと考えました。資産を取り崩すことへの罪悪感や、元本が減っていく恐怖心から解放され、より落ち着いた気持ちで資産と向き合えるようになります。

定期的な配当金の入金は、投資における意思決定を合理的に保つ上で、大きな助けになると考えました。市場が大きく下落しているときでも、「計画通り、来月には配当金が入金される」という事実があれば、パニックになって保有資産を売却してしまうような行動を抑制できます。配当金があれば、その現金を生活費に充当することで、インデックスファンドの売却を市場が回復するまで待つ、という戦略的な選択が可能になります。

私たちは、配当金を「生活費の一部を自動で支払う仕組み」と位置づけることにしました。たとえば、年間配当金が36万円になれば、月々3万円の収入となります。これで家族全員の通信費と、こどもの習い事の月謝が支払える、といった具体的な計算ができます。労働収入や資産の取り崩しに頼らず、資産が生み出すお金だけで生活の一部が完結する。この事実は、経済的な自立度を高め、生活の基盤は揺るがないという安心感に繋がります。

インデックスと配当投資の補完関係

私たちは、インデックス投資と配当投資を対立するものとは考えていません。むしろ、それぞれ異なる役割を持つ補完的な関係だと捉えています。私たちは、インデックス投資は資産全体の価値を大きく増やす(キャピタルゲインを狙う)役割を担い、配当投資は安定した収入を生み出す(インカムゲインを得る)役割を担います。両者を組み合わせることで、バランスの取れたポートフォリオが実現できると考えました。

私たちのポートフォリオでは、それぞれの資産に明確な役割を与えています。

資産タイプ役割
成長資産(インデックス投資)ポートフォリオ全体の資産を大きく増やす
生活資産(配当投資)日々の生活を支え、精神的な安定をもたらす

現在は資産の大部分がインデックスファンドですが、今後は新NISAの成長投資枠を活用し、5年間という期間をかけて計画的に高配当投資の比率を高めていきます。この配分比率は固定的なものではなく、私たちの状況に応じて、今後も柔軟に見直していく予定です。



NISA成長投資枠の設計(1年目の実践)

年間240万円×夫婦=480万円の枠配分

私たちは、サイドFIRE達成への期間を短縮するため、夫婦それぞれの口座で成長投資枠を最大限に活用するという決断をしました。年間240万円ずつ、夫婦合わせて480万円。これを5年間継続し、合計2,400万円の成長投資枠を最速で埋めるという計画です。一日でも早く配当金という不労所得の仕組みを大きくし、複利の効果を享受したいと考えています。

初年度となる2025年、私たちは年間投資枠480万円のうち、トランプショックで下落した時に440万円分の投資を実行しました。この資金は、主に銀行預金の余剰資金から捻出しました。まだ株価が下がる可能性も考慮して2025年度の40万円の枠は残しています。今となっては「あの時にすべて買っとけばよかったかな?」と考えたりしますが投資に100点を求めずに少し気持ちに余裕を作ることも大切だと考えています。投資タイミングの基本的な考え方は市場が下落したときに購入することで、平均購入単価を抑える狙いです。常に冷静に市場と向き合うための資金的な余裕も残しておくのも重要です。

投資対象の考え方

投資先を選ぶにあたっては、これまで以上に「なぜこの対象に投資するのか」を夫婦で深く議論しました。特定の国や業種に資産が集中するリスクを避けつつ、長期的に安定した配当を継続してくれそうな、信頼できる投資先を選ぶことを最重要視しました。

ポートフォリオの構成は、日本株と米国投資信託の分配金受取型をおおよそ半分ずつとしました。日本株を組み入れたのは、将来日本で生活していく上での為替変動リスクを軽減する目的があります。米国投資信託への投資には、「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」を選択しました。これを選んだのは、優良な高配当企業に手軽に分散投資できる点に加え、年4回という分配金の頻度が、定期的なキャッシュフローを重視する私たちの戦略と合致していると判断したためです。

なお、この記事では、私たちが投資している具体的な個別銘柄の名称や、各銘柄の保有比率については言及しません。投資は、個々の状況によって最適な選択が異なるものだと考えているからです。そのため、あくまで私たちがどのような考え方でポートフォリオを構築したのか、その「設計思想」を提示することに留めます。


5年間で枠を埋める資金計画と移行ロジック

資金源の組み立て

NISAの成長投資枠2,400万円を5年間で埋める。この目標を達成するには、具体的な資金計画と、既存資産からのスムーズな移行戦略が不可欠です。年間480万円という大きな金額を継続的に投資していくための、私たちの計画の詳細を解説します。

年間480万円という投資資金を5年間継続的に確保するため、私たちは単一の収入源に頼ることをやめ、複数の方法で資金を捻出する計画です。これにより、予期せぬ事態にも対応できる、柔軟な資金計画を目指しています。

資金源の具体的な内訳は以下の3つです。

  • 労働と日々の節約から生まれる「余剰資金」
  • 特定口座(課税口座)のインデックスファンドの「段階的売却
  • 趣味を活かした副業収入

特定口座の資産を売却する際には、明確なルールを設けました。評価益が大きく出ているものから、年間の税負担を考慮しつつ計画的に売却します。また、税金(譲渡益に約20%)や手数料といったコストを常に意識することが重要です。さらに、購入タイミングを一度に集中させず、時間分散を徹底することで高値掴みのリスクを軽減します。


配当投資1年目の実績と検証

年間配当15万円に到達

2025年1月から夫婦で約440万円を高配当投資に振り向けた結果、初年度の年間配当金(税引後)が約15万円に到達する見込みとなりました。月平均に換算すると12,500円です。実際に銀行口座に入金されたこの15万円は、家計への貢献度が明確で、大きな安心感に繋がりました。私たちの戦略が、計画通り機能し始めたことを実感できた瞬間です。

受け取った配当金は、サイドFIREを達成するまでは、全額を再投資に回すというルールを徹底しています。これにより、複利の効果を最大限に活用します。

項目金額
投資額440万円
年間配当(税引後)約15万円
月平均12,500円

想定どおり/想定外

実際に配当投資を始めてみて、計画どおりに進んだ点と、やってみて初めて気付いた新たな課題の両方が見えてきました。

想定どおり、最も大きな成果は心理的な安定感が得られたことです。日々の株価の変動とは別に「配当」という収入源があると思うだけで、精神的な余裕が全く違います。また、収入として可視化されたことで、将来の生活設計がより具体的になりました。この「見える化」の効果は、漠然としたお金の不安を、具体的な計画に基づいた安心感に変えてくれました。

一方で、いくつかの課題も明らかになりました。一つは、投資タイミングの難しさです。株価が下落した時に底値で買いたいという欲が出てしまい待ちすぎて買えないなど、経験と知識が必要になってくるなと実感しました。二つ目はセクターの偏りです。買いたい銘柄だけを追ってしまうとセクターが偏ってしまうことがあるので広い視野で投資をしていかないとダメだなと学びました。


サイドFIRE後のキャッシュフロー設計

サイドFIREとは、完全に労働から引退するのではなく、資産収入と少しの労働収入を組み合わせて、自分たちらしい生き方を実現するライフスタイルです。ただ私たち夫婦は好きな仕事をしているので労働は辞めることなくより豊かに、余裕のある子育てをしたいと考えています。なので労働収入資産収入副業収入で実現しようと考えています。

月10万円の配当+月5万円の取り崩し(4%ルール準拠)

サイドFIRE後の生活費の柱は、まず年間120万円、つまり月額10万円の配当金収入です。これは夫婦のNISA成長投資枠2,400万円を、税引後平均利回り5%(増配を考慮しています)で運用することで達成を目指します。この金額は、私たちの家族が最低限必要な固定費を基に算出しました。それに加えて、これまで積み上げてきたインデックスファンドから、年間60万円(月額5万円)を計画的に取り崩して生活費に充てますこれは主に、変動費に充当する計算です。

取り崩し額は、有名な4%ルールを参考に、私たちのインデックス資産が1,500万円に達した時点で実行することを想定しています。重要なのは、市場が好調で資産が大きく増えたとしても、取り崩す金額は増やさないという自己規律です。計画を上回った分は、将来の不確実性に備えるための資金として、手をつけない。このルールが、資産を長く維持するための鍵だと考えています。

現金クッション5年分の役割

市場の暴落は予測不可能であり、資産価値が大きく下落した局面でインデックスファンドを取り崩すことは、資産を早く減らしてしまうリスクがあります。このリスクに備えるため、私たちは取り崩し予定の生活費(月5万円)の5年分に相当する300万円を「現金クッションとして別途用意します。これは、市場の長期的な下落局面においても、資産を取り崩さずに生活を維持するための安全資金です。

年間60万円の利益が出てない年は投資資産の1500万円から取り崩さず、この現金クッションである300万円から60万円を切り崩していく戦略です。そうすることにより市場が5年間は低迷しても投資資産を取り崩すことなく運用を続けることができます。また市場の調子がよく4%以上の利回りが出た際は安全資金である現金クッションの補充にあてるようにします。


まとめと次の一手(読者への示唆)

この記事では、30代の子育て世帯がサイドFIREを目指し、NISA成長投資枠を活用してインデックス投資から配当投資へと戦略を移行した事例を紹介しました。資産を増やすだけでなく、将来どのように安定して受け取っていくかを具体的に設計することが、安心して資産形成を続ける上で非常に重要です。

本記事の要点

  • 「増やす」から「受け取る」への戦略移行: 資産形成のフェーズを意識し、インデックス投資を補完する形で配当投資を組み入れました。
  • 具体的な5年計画: NISA枠を埋めるための明確な数値目標と期間、そして資金源と実務手順を具体化しました。
  • 数値基準に基づいたキャッシュフロー設計: 「配当10万+取り崩し5万+現金クッション5年分」という具体的な数値目標が、行動の指針となっています。

5年後実際に家族でサイドfireするにあたって

資産形成をするにあたって、それぞれの目標があると思います。私たち夫婦は目標をサイドfireと言いましたが世間の考えているサイドfireとは違い働き方も変えずに日々の生活に心の余裕を持てることを目指しています。そのために5年間は労働、節約、投資を頑張っていきたいと思います。

注意事項(免責と情報公開ポリシー)

本記事で紹介した内容は、一個人の投資戦略と実績の事例であり、特定の金融商品を推奨するものではありません。将来の投資成果を保証するものでもなく、投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。また、プライバシー保護の観点から、個別銘柄の詳細な比率や、総資産額については非公開としています。この記事が、皆さんの資産形成を考える上で、一つの参考になれば幸いです。

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